2010年3月7日日曜日

人形劇を見に行ってきました。

今日は、Ko'olau -True Story of Kaua'i という人形劇を見に行ってきました。
人形劇といっても、13歳以下の子供にはお勧めしないというショウです。


マウイ郡、モロカイ島にKalaupapa というとても美しい集落があります。
ここは、19世紀にハンセン病患者が隔離された場所です。
今も、数名の患者とその方々を世話する人たち数名が暮らす小さな、小さな集落です。
周囲は断崖絶壁で囲まれ、プライベートの飛行機、もしくはロバに乗って訪れるツアーでしか行くことができません。もちろん当時は、この世の果てというべき土地でした。ハンセン病患者と共にこの地で生活し、彼らの支えとなり、ついにはその病に倒れた、ファーザー・ダミアンはハワイの英雄として今でも尊敬されています。

このショウの舞台は、カウアイ島。主人公のKaluaiko'olau (Ko'olau)は、ワイメアに住むハワイアンで皆に慕われたパニオロ(カウボーイ)でした。Ko'olau は、Pi'ilani という女性と出会い、結婚し、Kaleimanu という息子を授かります。


幸せな日々もつかの間、しばらくして Ko'olau は、自分がハンセン病にかかっていることを知るのです。当時、ハンセン病は不治の伝染病、患者はすぐにモロカイ島のKalaupapa に隔離されなければなりませんでした。しかし、Ko'olau とPi'ilani は幼い Kaleimanu を連れて、人里離れたカララウ渓谷へ逃亡する決心をしたのです。


小さな家を建て、タロイモを育てて家族だけで暮らす日々。しかし、ある日、ワイメアの保安官が彼らを見つけ、逮捕しにやってきました。なんとKo'olauは、持っていたライフルでその保安官と2人の兵士を殺してしまうのです。間もなく、同じくハンセン病に感染してしまった息子、Kaleimanu が幼い命を落とし、その後を追うように Ko'olauも亡くなり、この家族の逃亡生活は幕を下ろすのです。

その後、Pi'ilani は、ワイメアに戻り、ハワイ語でこのストーリーを本にすることにしました。それが、このショウの原作です。

とても、とても重いテーマです。ハンセン病患者の扱いはどの国でも問題になりました。そして、政府が出した結論は多くの人々を救おうとする方法だった訳で、決して当時は間違っていたとは言えなかったと思います。

けれど、人里離れた場所でひっそりと、誰にも迷惑をかけずに暮らしていた家族を逮捕する意味があったのでしょうか?
そして、人を殺してまで自分たちの幸せを守ったKo'olau の決断は、どうだったのでしょう?
考えさせられることがたくさんありました。
ただ、もし自分が余命いくばくもないと知っていたら、この私もKo'olau と同じ決断をするかもしれません。愛する家族と離れ離れになって死ぬよりは、なんとしてでもつかの間の幸せを守ろうとするかもしれません。

この重ーいテーマを、影絵と人形、そしてライブミュージックで演じるパフォーマンスは、静かながらとてもパワフルで、涙なしでは見ていられませんでした。

それぞれの人形自体には、表情がないんです。でも、その人形を操作する人の心が宿っているかのように、動きにすごく表情があるのです。
まるで、人間のように動き、楽しさ、悲しみ、恐怖、愛情を細かく表現するんです。
バックの影絵もハイテクとローテクの絶妙な組み合わせで、それぞれの時代の流れや、細かなストーリー展開を見せてくれました。
ライブミュージックもすばらしかったです。

この人形は、日本の車人形のテクニックを使っているそうです。
キャストの方にも数名日本人の方がいらっしゃいました。
ミュージシャンの方も一人日本人の方がいて、随所に日本っぽい演出がありました。
尺八は、かなり泣けました。


ショウの後は、キャストの方々と人形たちが観客をステージに招いてくれて、人形を実際に手で触れて、動かしてみたりできました。
私も、Kaleimanu 君と握手してきました。
思ったよりとっても小さいんです。
ステージに立ったときの存在感はすごいんですけど。
ディレクターのTom Lee さんは、オアフ島出身。この原作に魅せられて、舞台の構想を練ったそうです。Kaleimanu 君と Ko'olauは、Tom さん自らが人形を彫ったそうです。

次回のショウは、ビッグアイランド。Hilo とWaimea で公演するそうですので、もし機会があったら是非見てください。
ハンカチを忘れずに。

Ko'olau のウェブサイトはこちら

Satoko

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